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パワポはもう不要?AIで作るHTMLプレゼンの実力

はじめに — 除雪の合間に45枚

2月のある休日、北海道は大雪でした。朝から除雪に追われつつ、合間に大学の講義スライドを作らなければいけない。締め切りは翌週。PowerPointで45枚のスライドを一から作るとなると、普通に3〜4日はかかります。

「無理だな」と思いながら、ふと試してみたのがAIにHTMLでプレゼンを作らせるという方法でした。結果、除雪の合間の半日で45枚が完成。しかも休憩タイマーや画像クリック拡大といった、パワポでは面倒な機能まで付いている。

正直、自分でも「これはちょっとヤバいぞ」と思いました。パワポで数日かかる作業が半日で終わってしまう。しかも品質は同等かそれ以上。この体験を共有したくて、この記事を書いています。

なぜHTMLプレゼンなのか

まず、PowerPointの「限界」について考えてみましょう。PowerPointは優れたツールですが、いくつかの構造的な問題を抱えています。

PowerPointの限界

HTMLプレゼンの利点

一方、HTMLで作成したプレゼン資料には、以下のような利点があります。

もちろん、すべてのプレゼンをHTMLにすべきという話ではありません。しかし、「社内研修資料」「セミナー資料」「技術説明資料」など、更新頻度が高く多人数に共有する資料については、HTMLプレゼンが圧倒的に優れています。

AIに作らせるとどうなるか

HTMLプレゼンの最大の障壁は、「HTMLやCSSの知識がないと作れないのでは?」という点でしょう。答えはNOです。AIが書いてくれます。

データとエンジンの分離設計

私が採用しているのは、「データとエンジンの分離」という設計思想です。具体的には、プレゼンの内容(テキスト、構造、順番)をJSONやMarkdownなどのデータファイルに記述し、それを表示するHTML/CSS/JavaScriptのエンジン部分を別に用意します。

この設計の何がいいかというと、内容の修正がデータファイルの編集だけで完結することです。HTMLやCSSに触る必要がありません。新しいスライドを追加したければ、JSONファイルにオブジェクトを1つ追加するだけ。順番を入れ替えたければ、配列の順序を変えるだけです。

半日で45枚完成の流れ

実際に半日で45枚のスライドを完成させた流れを、5つのステップでご紹介します。

  1. 構成案の作成(30分) — AIに「このテーマでプレゼンの構成案を作って」と依頼。章立てと各スライドの概要が出力される
  2. データファイルの生成(1時間) — 構成案をもとに、AIがJSONデータファイルを自動生成。各スライドのタイトル、本文、箇条書き、注釈がすべて構造化される
  3. エンジンの構築(1時間) — HTML/CSS/JavaScriptのプレゼンエンジンをAIが生成。レスポンシブ対応、キーボード操作、プログレスバーなどの機能も含む
  4. 内容の精査と修正(1時間) — 人間がデータファイルを確認し、表現の微調整や事実確認を行う。この工程が品質を決める最も重要なステップ
  5. デザイン調整と仕上げ(30分) — 配色、フォントサイズ、余白などの視覚的な微調整。AIにCSSの修正を依頼

合計で約4時間。PowerPointで同じ品質のスライドを45枚作る場合、デザインの調整、図版の配置、アニメーションの設定などを考えると3〜4日は必要です。AIとHTMLの組み合わせで、制作時間を1/5以下に短縮できたことになります。

中小企業での活用シーン

「HTMLプレゼンなんて、IT企業の話でしょ?」と思うかもしれません。しかし、中小企業にこそ大きなメリットがあります。

社内研修資料

社内研修は、同じ資料を何度も使い回し、少しずつ内容を更新していくものです。PowerPointファイルを更新するたびにバージョン管理が混乱しますが、HTMLなら簡単です。社内サーバーやクラウドにホスティングすれば、従業員はURLにアクセスするだけで常に最新の研修資料を閲覧できます。

さらに、HTMLならスマートフォンでも快適に閲覧できるため、現場作業の合間にスマホで研修内容を復習する、といった使い方も自然にできます。

営業プレゼン

取引先にプレゼンする際、URLを送るだけでOKです。相手がPowerPointを持っているかどうかを心配する必要がありません。タブレットでもスマートフォンでもPCでも、同じURLで同じ見た目のプレゼンが表示されます。

また、取引先ごとにデータファイルを少しカスタマイズするだけで、パーソナライズされた提案資料を量産することも可能です。AIに「A社向けにこの3つのポイントを強調して」と指示するだけで、専用のデータファイルが生成されます。

会社説明会

採用活動の会社説明会資料も、HTMLプレゼンとの相性が良い用途です。自社サイトに常設しておけば、説明会に参加できなかった学生にもURLを共有するだけで見てもらえます。また、会場でプロジェクターに投影する場合も、ブラウザを全画面表示にするだけなので、PowerPointのインストールやバージョン問題に悩まされることがありません。

注意点

もちろん、HTMLプレゼンがすべての場面で最適というわけではありません。以下の点には注意が必要です。

大切なのは、「PowerPoint vs HTML」という二項対立ではなく、目的と状況に応じて最適なツールを選ぶことです。社内向け・更新頻度が高い・多デバイス対応が必要、という条件が揃えば、HTMLプレゼンが最良の選択肢になります。

まとめ — パワポに戻れなくなった話

あの大雪の日以来、私はほとんどのプレゼン資料をHTMLで作るようになりました。パワポを開くのは、取引先から「PowerPoint形式で」と指定されたときくらいです。

一番大きいのは、「内容に集中できる」ということ。パワポだと、フォントサイズを揃えたり、図形の位置を微調整したり、アニメーションの順番を設定したりと、内容以外のことに時間を取られがちです。HTMLプレゼンなら、内容(データ)だけ書けば、見た目はAIとCSSが勝手に整えてくれる。

もちろん、これが唯一の正解というわけではありません。でも、「プレゼン資料を作るのに丸2日かかっている」という方には、騙されたと思って一度試してほしい。きっと世界が変わります。

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